覚えているでしょうか?
2009年から2011年にかけて行われた「家電エコポイント制度」を。
これは、「エアコン」「冷蔵庫」「地デジ対応テレビ」の3ジャンルのうち、省エネ性能の高い製品を購入した場合に、「エコポイント(1ポイント=1円相当)」がもらえる制度です。
付与されたポイントは、「金券」や「商品」などに交換することができました。
この時期に多くの人が、「地デジ対応テレビ」に買い換えました。
なぜなら、2011年7月24日をもってアナログ放送が終了するため、「地デジ対応テレビ」の購入が必要不可欠となったからです。
「地デジ対応テレビ」の買い換えを迫られた時期に「家電エコポイント制度」が開始されたため、案の定、大量のお客様が家電量販店に殺到しました。
家電量販店は、常軌を逸するほどの多忙を迎えました。
とても社員だけでは業務が追いつかない。
そんな時に頼ったのが、「学生アルバイト」でした。
今回の記事は、私が「学生アルバイト」として各ご自宅に家電を配送し続けた体験談です。
家電量販店バイトの仕事内容ってどんな感じ?
先ほど説明したとおり、「家電エコポイント制度」と「地デジ化」に伴う大量の受注に対応するため、私は「学生アルバイト」として家電量販店でお仕事をしました。
その際の具体的な仕事内容について解説していきます。
荷物搬送
先ず当然ながら、拠点地である「店舗」から「家電」を配送する必要があります。
そのため、トラックの荷台に載せられるだけの家電を積み込まなければいけません。
朝の7時頃から、その作業が始まります。
トラックでの搬送のため、基本的には「社員×1人」「学生アルバイト×1人」という組み合
わせで仕事を行います。
取り付け先の住所や時間帯、順番を確認し出発します。
家電取り付け
各ご自宅にお邪魔し、家電を取り付けます。
この際に徹底していたのが、「白靴下」の着用です。
清潔感を出すために、各ご自宅ごとに「白靴下」を履き替えることが義務付けられていました。
また、「家電エコポイント制度」とは関係のない「洗濯機」などの取り付けにあっても、通常業務として行っていました。
大人2人がかりといえども、そんな簡単な作業ではなかったことを覚えています。
ご自宅の壁にぶつけることは許されないため、細心の注意を払いながら運びます。
家電回収
新しい家電を取り付けたことにより、不要になった家電を回収することが多いです。
ここまでして、1件の仕事となります。
家電量販店バイトの1日のスケジュールは?
家電の配送のため、やや流動的なところがあります。
家電の取り付けに手間取ったり、お客様の対応などにより、予定していたどおりのスケ
ジュール管理ができないことがあるからです。
ここでは、平均的な1日のスケジュールを紹介します。
7時〜8時
朝は比較的早いです。
8時頃には出発するため、7時前には出勤します。
それから、荷物の積み込み作業となります。
8時〜17時
荷物の積み込みが終われば、あとは終日「配送作業」です。
分担された1日の家電の量にもよりますが、おおよそ夕方ごろには店舗へ戻ります。
しかし、予定していた時間にご自宅に赴いても、留守であることも実際にありました。
宅配便などでは、このようなことは日常茶飯事のようですが、家電の取り付けでも稀にあります。
そのような場合には、直接連絡をとり、当日の別時間帯や別日の調整となります。
ある程度はお客様の意見に従わなければいけないので、夜遅くの取り付けなどにも対応ししていました。
そのような場合には、9時に店舗へ戻ることにもなります。
18時
回収した家電を荷下ろしし、当日の作業は終了となります。
私の雇用形態として、「人材斡旋会社」が「家電量販店」へ「学生アルバイト」を紹介しているかたちでした。
そのため、「学生アルバイト」は業務証明として、社員さんに定型用紙へのサインをしてもらう必要がありました。
それを後日、「人材斡旋会社」へ提出することにより、給料が振り込まれる仕組みとなっていました。
家電量販店バイトの時給や年収は?インセンティブはある?
アルバイトを選ぶ際の基準に、「時給」は最大の関心ごとです。
では、家電量販店での時給はどの程度なのでしょうか。
あくまで、私が働いた店舗での業務内容の時給を紹介します。
時給
時給は「1,000円」でした。
私が住んでいた地域での「学生アルバイト」の時給としては高額でした。
需要があったのでしょう。
月収
月収換算では「10万円」に届いていました。
基本的に当時の働き方が「単発」であったため、働こうと思えば毎日働くことができました。
日当が「8千円程度」だったため、毎日働けば「10万円」というはハードルは、比較的容易でした。
インセンティブ
アルバイトのため、基本的にインセンティブはありませんでした。
しかし、お客様からの飲み物などの「差し入れ」をいただくことが多かったです。
学生アルバイトの私にとっては、これが「インセンティブ」のようなものでした。
家電量販店バイトのやりがいや魅力は?
家電量販店におけるアルバイトのメリットをご紹介していきます。
家電に詳しくなれる
配送する家電は、普段私たちが家庭で取り扱うものです。
それらの取り付けや回収を行うため、必然的に家電について詳しくなれます。
配線や初期設定の繰り返しのため、あらゆる機種に対応できるようになりました。
そして、社員さんは「プロ」であるため、応用的なことも目の前で見ることができました。
今でも良い経験ができたと思います。
体力がつく
家電の配送のため、業務内容としては「配送業」に近いものがありました。
家電を運び、取り付け、回収する。
そのため、意外と「力仕事」となります。
結果、体力がつきます。
夏場にあっては、それなりの重労働を覚悟しなければいけません。
家電量販店バイトの人間関係ってどんな感じ?
私が働いた時は、社員さんとの「2人1組」での作業であったため、少なからず「相性」があります。
そして、この社員さんとの組み合わせは、基本的に毎日入れ替わります。
そのため、毎日が「運」との勝負のようなものです。
相性が「合う」社員さんとの仕事は、1日が非常に短いです。
その日1日は、その社員さんとの行動となるため、相性が「合う」「合わない」は死活問題でした。
コミュニケーション能力が重要
そのためにも、どのような社員さんにも対応できるよう、コミュニケーション能力は必要でした。
あくまでこちらは「学生アルバイト」であり、社員は「プロ」として働いています。
「学生アルバイト」の戦力など微々たるものです。
明るく元気よく、言われたことを確実にこなすことを心がけ、一生懸命働く気持ちがあれば、社員さんとも良好な人間関係が築くことができました。
たばこ問題がある
家電配送で意外と深刻な問題なのが、「喫煙」です
お客様のご自宅での家電の取り付け時以外は、基本的にトラックで移動しています。
その際に、社員さんは車内で「喫煙」することになるのですが、「学生アルバイト」が煙を嫌がる場合があります。
今のご時世であれば、「スモハラ」や「社用車での喫煙禁止」などと言われそうですが、10年前はそのような社会情勢ではありませんでした。
そのため、社員さんが喫煙をしようと学生アルバイトに尋ねると、吸わないでほしいと断られたケースがあったそうです。
これに対し社員さんは、相当ご立腹だったようです。
双方の意見も理解できるので、難しいところです。
これも一つの「相性」なのかもしれません。
家電量販店バイトに向いてる人は?
家電量販店における配送業務について一通り説明してきました。
では実際に、どのような人に向いているのでしょうか。
家電が好きな人
家電量販店で働く以上、家電に詳しい方が有利です。
しかし、これは絶対条件ではありません。
毎日家電に触れていれば、誰でも詳しくなります。
その環境が嫌ではない、家電が好きな人に向いているバイトだと思います。
体力がある人
家電の取り付けや回収を行うため、少なからず「力仕事」です。
そのため、体力は必要です。
残念ながら、女性には少々不向きな仕事となっています。
清潔な人
「お客様のご自宅」にお邪魔して、家電を取り付けることとなります。
人様のプライベート空間にふみ入るため、第1印象が不潔では、不快な気持ちにさせてしまいます。
そのため、身なりに気を配れる人でなければいけません。
髭や髪の毛、爪はもちろんのこと、体臭にも配慮できるようになるのが理想です。
家電量販店バイトを始めるにはどうすればいい?
家電量販店でバイトを始める手段は様々ありますが、思い当たるものを紹介していきます。
アルバイト斡旋会社へ登録
私の場合は、アルバイトを斡旋する会社からの応募でした。
「家電エコポイント制度」と「地デジ化」に伴う過度の需要に対応するための「短期」アルバイトという扱いでした。
長期間継続して働きたい人には不向きなものとなっています。
タウンワークなど
店舗側が掲載を依頼した、求人サイトを活用することが、もっともポピュラーだと思います。
同一店舗で長期継続して勤務することが可能です。
店舗によっては、「交通費」や「制服の支給」など福利厚生が充実している場合もあります。
まとめ|家電量販店バイトは「家電好き」と「コミュニケーション」が大切
私の家電量販店バイトの体験談について説明してきました。
私が担当していた業務が「家電の配送」であったため、家電量販店のバイト業務としては、やや特殊であったとは思います。
そんな「家電量販店バイト」は、家電好きには間違いなくおすすめであります。
家電を使用して何かを楽しむというより、家電そのものが好きな人向けであります。
そして、家電はお客様に「売る」ものであるため、お客様との「コミュニケーション」は欠かせません。
家電に詳しくなくても「家電好き」な人。
人とのコミュニケーションが好きな人。
そのような人にこの記事が届けば幸いです。
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