私が数多く経験したバイトの中で、やって良かったと思えたのが、ホテルの宴会場のバイトです。
当時、学生だった私がバイトをする前は、ホテルの宴会場なんて行ったことがないし、バイト内容が分からず不安でした。
ですが実際にバイトをして、いつの間にか身についたことが、社会人になって色々役に立ったことがありました。
そんな宴会場のバイトで身につくことや大変だったことなど実体験を交えて紹介したいと思います。
ホテル宴会場バイトの実態
ホテルの宴会場では、企業に勤めている方々が歓迎会等の宴会をしたり、同窓会や法要、結婚式の披露宴会場、会議室としてなど様々な方々が利用されます。
バイトはその会場で料理やお酒を提供するウェイターのお仕事になりますが、会場のセッティングや宴会終了後の片付けなんかもあります。
やってみると意外とハードなバイトと言えるでしょう。
バイト内容や時給など詳しく書いていきますので、ぜひご覧ください。
詳しいバイト内容は?
まずは、会場のセッティング。
空の会場にテーブルや椅子を配置したり、卓上の食器のセッティングをするのが仕事内容で、主に社員さんのお仕事でバイトはその手伝いになります。
宴会の会場は、利用される内容や人数によって会場の広さが変わります。
例えば、披露宴であれば、多くて100人ほどお客様が集まれる広い会場。
10人程度のちょっとした親睦会であればこじんまりとした個室の会場もあります。
広い会場だとテーブルも椅子もたくさん必要なので並べるだけでもけっこう大変でした。
セッティングが完了したら、メインのお仕事の料理やお酒の提供。
文字通り、厨房から出来上がった料理をお客様に提供するウェイターの仕事ですね。
披露宴などのコース料理や、和の会席料理、ビュッフェなどメニューによって料理の提供の仕方も変わります。
またお客様からお酒の注文を受けたら会場内のバーカウンターでお酒やお茶などのドリンクを作ります。
最後に会場の片付け。
お客様の忘れ物がないかチェックをして、お客様が全員会場から出られたら、食器類からテーブル、椅子などを片付けていきます。
次回利用される宴会に備えて会場を空にするまでが宴会場のバイトの仕事内容です。
時給は良いの?
当時、私がバイトしていた頃の時給は1,000円でした。
ハードなバイト内容から考えると安いのかな、普通のバイトと変わらないかなと思います。
宴会の時間が2〜3時間ほどで、その準備や片付けで前後1時間ずつかかるとして、働く時間は約5、6時間になります。
宴会は夜というイメージがありますが、土日や祝日のお昼時にランチで利用されたり、高齢者施設の方々の親睦会などもあり、その場合は午前中から出勤し、お昼の仕事を終えて休憩、夕方から夜まで仕事。
人手不足の時は、こうしてぶっ続けで働くこともあったりするので、忙しい時期はけっこう稼げました。
ちなみに忘年会、新年会、新入社員歓迎会などで宴会場を利用されるので、イベント事に合わせて忙しくなります。
めちゃめちゃ忙しい時期は派遣さんが来られたこともありました。
学生さんにおすすめしたい!
ホテルの宴会場のバイトは特に社会人になる前の学生の方におすすめです。
(お酒を提供する仕事なので高校生以上の学生さんに限りますが)
実際に学生だった私が、このバイトで色んな社会経験を積み、それが社会人になってたくさん役に立ったからです。
また他のバイト仲間は学生の他に主婦の方やお孫さんがいる方までいらっしゃいました。
女性が多いですが、男性の方もいらっしゃいます。
こうして色んな世代の方々がいる環境で働けるのもポイントです。
社会人になって仕事をする上で人間関係やコミュニケーションは必要不可欠。
たかがバイトだからこそ、社会人になる前に仕事における人間関係をどう築いていくか、しっかり学べます。
そして、バイト内容をご覧になるとお分かりの通り、バイト中は常にウロチョロしなければなりません。
料理の提供だけでなく、会場のセッティングもあるので、若さとパワフルさも必要です。
ホテル宴会場バイトで身につく5つのこと
実際に私が宴会場でバイトをしてどんなことが身についたのか、具体的に書いていきます。
このバイトはただ業務をこなすだけでなく、臨機応変に、効率よく働くにはどうすればいいかなど、考えながら働かなければなりません。
言葉では難しく感じますが、実際に働いてみると自然と身につくということが、このバイトの大きなメリットです。
そして身についたことが社会人になってからどう活かされるのか、身近に役に立ったことなんかも書いていますので、ぜひご覧ください。
様々なマナーが身につく
当時バイトをしていた私は学生で、結婚式に参列したことがなかったのですが、このバイトをして初めてテーブルマナーを知ることができました。
例えば食器をセッティングする際、フォークなどのカトラリーをお客様が外側から使えるように配置します。
カトラリーには、前菜用、お魚料理用、メインのお肉料理用などたくさん種類があって、同じフォークでも大きさや形が少しずつ違っています。
当時は覚えるのが大変でしたが、自分が結婚式に参列した時、友人から「どのフォーク使えばいいの?」と聞かれた時、スムーズに教えてあげることができました。
また上座と下座について知ったのも、このバイトでの経験でした。
料理を提供する際は、必ず上座からお出しします。
丸い円テーブルや四角いテーブルの場合の上座の位置についても指導してもらったので、新社会人になってからは、いちいち調べたりしなくて済みました。
上記で紹介した内容は、社員さんやバイトの先輩にしっかり指導してもらえます。
バイトをする上で必要な指導ですが、後から知識として身につくのは得した気分になりますよね。
いろんな体験ができる
記事の冒頭でも書きましたが、ホテルの宴会場では様々な方が、様々な宴会内容で利用されます。
私は結婚式の披露宴をこのバイトで初めて体験しましたが、仕事をしながら、お客様の余興を静かに楽しんだり、花嫁の手紙でコッソリ泣いたりしてました。
企業の方々の親睦会、いわゆる接待では、スーツの男性客の方がみんな両手に瓶ビールを持って、あちこちテーブルを行ったり来たりする様子を観察して「お酒の場はリラックスできない場合もあるんだな」と呑気に考えたり。
さらに法要のお食事だけの会場でお弁当の提供や、企業の方々の会議でお茶のみをお出ししたこともありました。
仕事に余裕が出てくると、仕事しながら「色んな人がいるんだなぁ」とか「こんな仕事があるんだぁ」とか「世の中広いなぁ」と観察してみたり、疑似体験ができるので楽しかったです。
コミュ力向上につながる
百貨店売り場のようなガッツリとした接客ではありませんが、お客さんと面と向かって接するので自然と失礼のないような丁寧な言葉遣いや、声を掛けるタイミングなどが身につきます。
業務に慣れてくると、お客さんの様子を観察して、食が進んでいないお客さんに「料理をお取りしましょうか?」と提案できるまでに成長します。
また、一緒に働いているバイト仲間の年齢層も幅が広いので、基本的な敬語や気遣いも自然とできるようになりました。
正直言いますと、私は極力人と話したくないタイプなのですが、それが克服できたと思います。
このバイトでは同じウェイター仲間や厨房の方々など、色んな人と関わりがあります。
コミュ力に自信がない方も、もっとコミュ力を上げたい方にも良いバイトです。
臨機応変になれる
ビジネス以外でも、臨機応変に対応できるスキルは身につけておきたいですよね。
お客様の要求を柔軟に対応するためには、どんな要求をされるかを想定して、事前に準備することが大切です。
お客様のお手洗いの場所を知っておく、卓上に用意されたナフキンはお客様が持って帰っても良いのか確認しておくなど、ちょっとしたことの積み重ねが後々役に立ちます。
観察力も上がるので、料理やお酒の進み具合だけでなく、お客様の動きや目線などを見て、なんとなく何を求めているか分かってきます。
私も初めは戸惑って要求を断ってしまったこともありましたが、社員さんに相談したり、自分にできることを考えました。
要求に応えられるようになると積極的に声をかけられるようになり、どうしたらお客様が喜ばれるかなど、ホスピタリティの精神が身につきます。
ホスピタリティはどんな職場でも使えますし、人との信頼関係を築くこともできます。
割引が使える!かも?
私がバイトしていたホテルでは、バイトするとホテルの宿泊料を割引してくれました。
バイトが遅く終わってしまった時、バイト仲間と一緒に宿泊して、翌朝自宅に帰ったこともあります。
ホテルのレストランでも割引が使えます。
当時は通常の値段より2割ほど安くしてもらってました。
他には割引ではないですが、厨房の方と積極的にコミュニケーションして、少し仲良くなると余った料理を、好意でおすそ分けしてくれる、なんて特典もあったりなかったり。
料理のおすそ分けはともかく、割引については、あくまで私がバイトしていたホテルでの割引ですので、ホテルによっては違うかもしれません。
事前に調べてみてくださいね。
ホテル宴会場バイトで大変な4つのこと
宴会場のバイトをして、マナーを学んだり社会人に必要なことが身について良いこともたくさんありますが、やっぱり大変なこともあります。
しかし、大変だったことも後から勉強になったり、これからの糧になったり、それがスキルアップに繋がるかは受け取り方次第ではありますが、大変なことも経験できて良かったなと今では思います。
ホテルならではの大変なことでもありますので、ぜひ参考にしてみてください。
クレーム対応
アルバイトと言えど、ホテルの従業員なので、仕事中の態度が悪かったり、ミスをすればクレームに繋がる場合があります。
厄介なのは、理不尽なクレーマーに出くわすこと。
お酒が入っていると、厄介さがさらに増します。
私も何度か対応しましたが、とにかく謝罪することしかできませんでした。
ですが社会人になって、この体験が活きることが意外とたくさんあります。
バイト当時はすごく嫌でしたが、頑張って対応したおかげで、クレーマーの対応術が身につき、メンタル的にもタフになれました。
誠意を持って謝罪をするということも、社会において必要なことですし、経験していて良かったかなと思います。
辛い人は辛い食べ物の処理
宴会が終了して後片付けをする際、お客さんが残した料理は全て廃棄処分します。
大きなゴミ袋にひたすら処分していくのですが、見た目や匂いがとてもキツいです。
食器は後で洗いやすいように綺麗に処分しなければならないので、私はビニール手袋をして処分していました。
こういう衛生面がキツい人にはキツい作業だと思います。
また、私が今でも印象に残っているのは「食べ物に恵まれない人のことを考えると辛い」という理由で辞められた方がいらっしゃったことです。
今も食品ロスの問題がありますが、外食したときは残さずしっかり食べようと思うきっかけにもなりました。
お酒がらみのトラブル
お客さんの大半は飲酒されると陽気な方が多いですが、中には面倒なお客さんもいます。
例えば提供するお酒の種類は、お客さんが事前に決めた宴会コースで決まりますが、「コースメニューにないお酒を出せ!」と言われたり、「トイレが遠い!」と怒鳴られることもありました。
こういった理不尽なことにもしっかり謝罪したり、社員さんに相談したりなどの対応しなければクレームに繋がりかねません。
また女性の方は、ナンパやセクハラ紛いなことを言われたりします。
私もなんとか受け流したりしてましたが、精神的に辛くなることもありました。
体力的にキツイかも?
常に立ちっぱなし、動きっぱなしなので、バイトが終わる頃には足がパンパンに浮腫みます。
会場の裏でも瓶ビールのケースを運んだり、下げてきた食器を洗い場まで持って階段の昇り降りをしたりと、本当にバタバタしてます。
会場のセッティングや片付けでは、運ぶテーブルや椅子の1つ1つは重くないのですが、けっこうしんどいです。
女性の方だと力がないので、キツく感じる方もいらっしゃいました。
私も体力がない方ですが、やり続けると体力も筋力が付いて、特にふくらはぎはムキムキです。
まとめ|ホテル宴会場バイトは必要以上のスキルが身につく!
最後の方はデメリットな内容でしたが、思わぬところで役に立ったり、経験してて良かったと感じることが後々出てくると思います。
ホテルのバイトって、指導が厳しそうで挑戦しづらいイメージがあるかもしれませんが、一緒に働いている方々はアットホームですし、お酒が入る宴会場では居酒屋みたいにガヤガヤしてて、賑やかで楽しい雰囲気ですよ。
学生さん以外の方でも、自分が知らない知識やスキルを身につけたい方や、人見知りを治したい!という方にもおすすめのバイトです。
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