私は、学生時代に様々なアルバイトを経験しました。
チェーンの飲食店や高級割烹料理店、レンタルビデオ屋など、いくつものアルバイトを掛け持ちしていました。
その中で、最もレアなバイトであり、友人からも聞いたことがないと言われた空港でのアルバイトの経験があります。
空港での仕事というと、お客様の前に立って接客をするというイメージがあると思います。
しかし、私の経験した空港でのアルバイトは、お客様と接することはほとんどありません。
では、どのようなアルバイトなのかをお伝えしていきます。
空港でお客様から見えないところで活躍するアルバイト
お客様と接することのない空港でのアルバイト。
そう聞くと、どんな仕事なのか、またどのような求人なのか気になるのではないでしょうか。
私も、こんなアルバイトが本当にあるのか心配でしたが、応募して働き始めてからは驚きのことばかりでした。
ここではなぜ私が空港でのアルバイトに応募したのか、また実際に経験したことをお伝えしたいと思います。
働き始めた理由
私がなぜ空港でのアルバイトを始めたかというと、理由は2つあります。
1つ目の理由は、貴重な経験がしたかったためです。
学生時代のアルバイトというと、飲食店やコンビニなどのアルバイトをする方が多い中で、何か1つ違う経験がしたいと思っていました。
そんなことを考えながら、アルバイトの求人を見ていると、たまたま空港でのアルバイトを見つけたため、チャレンジしようと決めました。
2つ目の理由は、大学卒業後の希望進路の1つの候補に航空業界があったからです。
就職活動中の動機として、空港でのアルバイトのことを話すと、少しは有利になるかな。とそんな簡単な理由でした。
実際、就職活動において空港でのアルバイトのことを話すと、面接官の方々の評価が高く、航空会社から内定を頂くこともできました。
貴重な経験と就職活動での武器を手に入れることができたアルバイトなので、挑戦してよかったなと感じています。
空港裏方バイトの実態
では、お客様の前に現れない空港でのアルバイトとは、実際どんなものなのでしょうか。
搭乗カウンターでお客様から預かった荷物や、法人から空輸される荷物を飛行機の中に積み込むアルバイトです。
また、到着した飛行機から荷物を降ろす仕事もあります。
飛行機がお客様を降ろす場所は、空港に10数カ所あるので、基本的には担当する飛行機までは自転車で移動します。
荷物を積む場所は、お客様が座る場所の下にスペースがあります。
飛行機の種類によっては高さは低く、ほとんどの飛行機は少しかがまなければなりませんでした。
そんな中力仕事をしますし、窓などの換気システムもないので、ものすごく体に負担がかかります。
お客様からの荷物はスーツケースやボストンバッグなどが多く、形もほとんど決まっているため、順番に並べれば特に問題はありません。
しかし、難しいのは法人のお客様からの荷物で、様々な種類の荷物があります。
例えば、郵便物をまとめた箱や野菜などを詰めた段ボール、梱包された窓ガラスなどが多くありました。
珍しいものでは、大きな発泡スチロールに包まれたマグロや、取扱厳重注意の精密機器などがありました。
そのような荷物を、空輸中でも動かないように積んでいかなければなりません。
力仕事をしながら、パズルのように積んでいくので、頭も使います。
また、離陸時刻も決まっていますので、時間をかけることもできません。
最初はとても大変ですが、様々な飛行機の種類や荷物を経験することで、段々慣れてきます。
とても多い荷物を1人で積むことができた時の嬉しさは格別なものがありました。
アルバイト中のルール
空港でのアルバイトは、非常に厳しいものでした。
仕事内容もそうですが、もっと厳しいのは空港内でのルールです。
例えば、空港に入る際はセキュリティチェックがかかせません。
そのため、会社から用意されるセキュリティカードを常に携帯してなくてはなりません。
もちろん空港のセキュリティ場所や飛行機内の写真を取ることは絶対に禁止されてます。
ですので、スマートフォンやカメラを携帯しておくことは禁止です。
また、飛行機が滑走路に着陸後、お客様を降ろす場所まで移動してくる際は何があっても飛行機優先です。
飛行機が移動している場合、たとえ速度がゆっくりでも私たちはその場で止まらなければなりません。
このように空港内でのアルバイトには厳しいルールが定められており、それを守るために契約書にサインする必要があります。
空港での裏方バイトのやりがい
ここまではアルバイトの実態や厳しいルールなどをお話しました。
厳しいルールなどがあるため、すぐにアルバイトを辞めてしまう方もいらっしゃいました。
しかし、なぜ私がここまで厳しいアルバイトを続けることができたのかのでしょうか。
お客様に1分でも早く荷物を届ける
着陸先の空港で、預けた手荷物が受け取りのレーンから出てくるのを待っている際、帰りのバスに早く乗りたいため、早く自分の荷物が出てこないかと心配になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私たちの仕事はここに醍醐味があります。
少しでもお客様に早く荷物をお届けできるように、荷物を積むことが重要です。
5分早くお客様に荷物を届けることができれば、30分早いバスに乗ることができるかもしれません。
お客様から見えないところからでも、お客様に対して最高のホスピタリティを行うことが重要です。
行き先の空港で働く方々がスムーズに荷物を降せるようにする
お客様のために荷物を降ろしやすいよう工夫することは大切ですが、お客様だけでなく、行先の空港スタッフのためでもあります。
たまに、降ろしやすいことなどを考えずに積むスタッフや空港もあります。
そうしてしまうと、結果的にお客様へ最高のホスピタリティを提供することができません。
また、そういう空港は、飛行機内での荷物破損率が高く、また顧客満足度も高くないそうです。
ですので、向け先の空港スタッフのためにも、降ろしやすいように積むことが大切です。
自分の空港だけでなく、日本中の空港で協力している感じがやりがいの1つでした。
空港内の様々な方々と話すことができる
荷物を積み込む際は、様々なスタッフと協力します。
まずは、飛行機まで荷物を持ってくるための車を運転するスタッフと話すことができます。
荷物を預けてくれる場所の状況や、飛行機の遅延などの情報をそこで聞くことができるので、非常に有益な情報を共有することができます。
また、パイロットやキャビンアテンダントと話すこともできます。
パイロットやキャビンアテンダントは飛行機内での仕事を主に行いますが、たまに飛行機の外装に問題が無いかチェックするために、地上に降りてくることがあります。
その際、雑談をしながら荷物を待つこともありますし、離陸前に話すこともあります。
色々な国に行った体験談や今後のフライトの予定などを話してくれるため、とても興味深く話を聞くことができました。
普段話すことができない方々と話すことができた経験は本当に貴重な体験でした。
まとめ|飛行機を一台飛ばすにも様々な人が関わっている
飛行機1台を飛ばすにも、実は何人ものスタッフが携わっています。
お客様が空港に着いたところから、飛行機が離陸するまで、様々なスタッフが協力し合って、快適なフライトを提供しているのだとアルバイトをして初めて感じました。
お客様から見えないところでも様々なスタッフが協力しており、そのような方々が居なければ、飛行機を飛ばすことはできません。
今は新型コロナウイルスの影響で、飛行機に乗る機会が少なくなってしまいましたが、今度飛行機に乗る際はスタッフのつながりも少し意識していただければ、少し違う楽しみ方もできるのではないでしょうか。
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